ブログ

出雲市の貧困とは 万引き犯の老人が命と引きかえにしたもの

投稿日:2017年3月26日 更新日:

出雲の貧困とは 万引き犯の老人が命と引き替えにしたもの出雲では生活の貧困を目に見える形で知る事は当事者以外ではほとんどないかと思います。
これは僕の友人が10数年ほど前に実際に体験した話しです。
それはある寒い日の夕方でした。
出雲市内の大型ショッピングセンターでバイトをしていた友人は店の外が騒がしいので飛び出したそうです。
駐車場の片隅の人だかりに警備員と倒れた老人の姿があり、血まみれの小刀がそばに落ちています。
老人に意識はなく服をはがしたら腹部から血がにじみ出ていたそうです。
老人は万引きの常習犯で前々から店の警備にマークされていて、この日ついに決定的な瞬間を捉えたので警備員が声をかけました。
すると小刀で警備員に斬りかかり、最後に自分の腹部を刺しました。
それは人に刃物をむけた自分の罪に絶望をしたのかもしれない。
友人は手で圧迫止血をしながら救急車を待つ時間が長かったこと、「しっかりしろ、こんなバカな事で死んでどうする!」と怒鳴る警備員の叫び声が今も自分の中に残っていると言いました。
老人はその日の夜中に病院で誰に看取られることなく亡くなられた。
近くに身寄りはなく遠縁にあたる親戚も遺体の引き取りを拒んだので、ショッピングセンターの店長が参列し市役所の課長が喪主になって小さな葬儀をおこなったそうです。
老人が盗んだものは使い捨てカイロ、コーヒー牛乳のパック、小さなパンでした。
僕には命と引き替えにするにはあまりにも小さな罪に思えます。
友人は事件があった日も店の売れ残ったお弁当やお総菜をゴミ袋にいくつも捨てました。
このパンのために自分を刺さねばならないのか、たかだか300円ほどの使い捨てカイロを盗まねばならないほど寒かったのではないか。
老人の盗んだコーヒー牛乳を流しに捨て、小さなパンをゴミ袋に放り込む時、矛盾に満ちたいたたまれない気持ちになって涙が流れて仕方がなかったそうです。
出雲市の貧困、老人の孤独、それらへの無関心。
豊かに思える自分の暮らしに初めて疑問をもった、と教えてくれました。
その当時より今はもっと老人や子どもの貧困問題が取りざたされています。
声を上げられなくて困っている人、相談できなくて困っている人、公の支援を受けられずじっと耐えている人、貧しさのために進学を諦めた若者たち・・・。
行政の役割とはなんでしょう。
政治のすべき事はなんでしょうか。
人と誠実に向き合うことが政治家に求められています。
出雲市は困っている人が声を上げられる、声を公に届けられる町であってほしい。
寒い夜が来るたびに、コーヒー牛乳のパックを見るたび、この老人の死を繰り返し繰り返し思い出します。

-ブログ

関連記事

お米と米飯給食について考える

島根のお米について考える

島根のお米は美味しいと思います。 なぜなら質の高い米を生み出せる田んぼがたくさんあるからです。 優れた土地、つまり土が有るか無いかで農作物の質はえらく変わってしまいます。 化学肥料や農薬を大量に使い続 …

見えない春が近づいています

見えない春が近づいています

木の枝の間からかすかに青空が見えました。 しかし、来週からはまた、天気が崩れるようです。 外周りが多いので暖かい春が待ち遠しい。 それにしてもこの堅い枝の中では着々と春の準備をしているのですから不思議 …

別れの季節、旅立ちのとき

別れの季節、旅立ちのとき

県立大学の松江キャンパスの前を通りかかったら卒業式の看板が出ていました。式は明日なのかな。生徒のみなさんおめでとうございます。先生方、ご苦労様でした! ちょうど別れの季節です。 せっかく仲良くなった方 …

インスタグラム密やかに始めました!

大国ふみてるのインスタ始めました。みなさん登録をぜひお願いします。 今やSNSはインスタ、LINEの時代ですがインスタ映えできる写真を撮る自信がなくて控えていました。後援会に写真が得意な方がいるので習 …

旧大社駅から地域を想う

旧大社駅に行きました。駅舎の中に観光協会が移転しており以前に来た時の寂しい感じは無くなっています。 昨年、三江線が惜しまれながら廃止になりました。利用者の減少によって維持が難しくなったためですが、重要 …

■大国ふみてる事務所


島根県出雲市江田町82-5
tel /  0853-24-7085
fax / 0853-21-1600

大国史英Facebook

大国史英討議資料ダウンロード